黒豚の噂 woink-propaganda

人狼GMの活動で得た色々をぼやきます。対面と長期が主戦場。

推理の際の「精度と確度」

村内の推理で「精度が高い」って聞いたことありませんか?
推理が当たってるだろう信頼を示す時に使う あの表現です。

今回はその「精度」とはなんぞや を銃を例えに用いて語ってみます。

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まず「精度」が何かを語り出す前に対になる語を1つ紹介しておきます。

それは確度 です。

村内では「精度が高い」≒「推理が当たっている」と意味することが多く見受けられますが、実はこれは誤用です。
(まぁ単に語の解釈なので、「精度」は人狼用語だ……と言えば誤用でも何でもありませんが)

正しい語意で表すのであれば「推理が当たっている」≒「確度が高い」が正しい使い方です。

 

じゃあその確度ってなんぞ。精度の話より前に余計な語が増えてしまいましたが、ではそれぞれ語って参ります。


読む上で踏まえて欲しい表現があります。

この記事では「銃弾を撃つ」=「推理をする」と直訳してください。

 

 

◆精度f:id:wbo6on:20210318001053p:plain

精度は「ばらつき(誤差)の少なさ」つまり「集弾率」です。
10発撃って着弾箇所が集まれば、それは「精度が高い銃」です。
照準が良くても、銃身が歪んでいては弾がまとまりません。

精度は、推理に言い換えると「再現性が高い」「ぶれない」こと。
同じないし似た状況になった際に、毎回 同じ(ないし似た)思考をすると「精度が高い」と言えます。


◆確度f:id:wbo6on:20210318001101p:plain

確度(正確度)は「真値との近さ」つまり「的中率」です。
10発撃って着弾箇所が中央に近いものがあれば、それは「確度が高い銃」です。
銃身が高品質でも、照準が悪いと弾は的に当たりません。

確度は、推理に言い換えると「洞察力が高い」「当てる」こと。
ある状況を承けての推理が当たれば、「確度が高い」と言えます。外した数は関係ありません。数撃ちゃ当たる、と同義です。

 

 

当然ながら精度(集弾率)も確度(的中率)も高いに越したことはありません。

          f:id:wbo6on:20210318000625p:plain目指すはこの傾向です。
精度だけなら中央に修正できれば「精度が高い 且つ 確度の高い銃」になります。
確度だけなら外れる数を減らせば「確度が高い 且つ 精度の高い銃」になります。

 

そして大事な話はここから。
ここまでは「推理の当たり見込みは実は精度じゃなくて確度って言うんだよ」「精度と確度はそれぞれ集弾率と的中率だよ」って語の定義の話で、それだけです。

ここからは精度と確度の鍛え方のお話です。

 

◆精度の鍛え方は「精錬」
これは言うのは簡単です。
自分の推理を振り返ってください。

人狼PLなら「狼の時は村の時の自分を真似れば ばれない」って理屈に誰しも一度は至ったと思います。
その真似をする際に自己分析や振り返り反省なんかで統計や知識を身に着けたと思います。精度の良し悪しは自分の内部にあるので、自分の癖を知ることが第一歩です。

まだの方は統計になるくらいに経験を踏むところから始めてください。弾数を撃たずに精度の確認はできません。先ず いっぱい撃ってください。いっぱい推理して それを書き残してください、そして いっぱい遡ってください。書き残してないと遡ることはできません。ので、とにかく自分の思考推移(推理)は書き残して、記憶が鮮やかな内に遡ってください。

その知識が正しいか否かはさておき、同じ(似た)状況を100回 与えられたら100回とも同じ思考ができるように努めれば精度は必然と上がります。

 

ただし、精度に拘ることはおすすめしません。
精度と確度のどちらが重要か、は確度です。確度を捨てて精度に拘る場合には「同じ間違いを同じように繰り返す」思想ができあがります。
この知識は誤りだ と思ったらその知識を基にした振る舞いは反面教師にし、以降の精錬からは取り除いてください。
知識の取捨選択は いっぱい撃った あとからで間に合います。


精度は精神力と内省力にかなり依存します。同じ状況に置かれたにも関わらず、判断役の重圧に負けて自分を信じられずに判断を覆す、なんてことは時折あります。
精度は自分を磨くことで得られます。

 

◆確度の鍛え方は「調査」
これも言うのは簡単です。
周囲の振る舞いを黙々と評価し続けてください。
それが正しい知識になります。

「正しい知識とは」の説明が不親切ですが、それは環境によって様々です。
人狼は環境の大部分を占める価値観で正しさ(正義 正着 正論)が変化します。
確度は外部要因が大きく影響しますので、自分が身を置く環境(周囲のPL)の分析をしてください。
弾は一発も撃たなくても知識だけなら観戦で得ることができます。

確度に拘れば中央に自然と弾が寄り、精度はあとから付いてきます。
その代わり、確度に拘った手法は自分の軸を研究しにくく頭でっかちになるため、いっぱい撃って精度を高めてから修正、よりも成長が遅くなります。
時には的を見ずに自分の癖を知るために いっぱい撃ってみるのも良いかもしれません。

 

精度は精神力 内省力に依存しましたが、確度は知識力 想像力に依存します。
知識は先程から言っている通り分析により得られます。しかし得た知識を組み合わせるには想像力が要ります。
過去と全く同じ状況はやってきません。同じ状況と言っても どこかしらに違いのある よく似た状況です。場合によってはある知識と別のある知識を複合した状況に出会うかもしれませんし、それぞれの知識が示す結論が同じとも限りません。

そんな時に「どちらの知識を優先するのか」を判断するのは想像力です。
想像力が充分であれば正しい知識を1回選んで1発当てるだけで その場限りですし結構 当たります。しかし、この取捨選択を100回行って100回「A」と答えるために必要なのは精度(精神力と内省力)であり、それを支える自信もまた知識から得られるのです。

 

 

(`°w°´)精度と確度を語ってまいりましたが、鍛え方は あくまで おすすめなだけです。
鍛えたいと思うほど人狼やってねーよ、て人は「精度は集弾率、確度は的中率」の知見くらいがこの記事の価値ではないでしょうか。

又、これは具体的な方法論なのですが、私が採用している推理体系に「弁護士と検察官」というものがあります。長期人狼で用いるものです。
1つの案件を穿った解釈と抑えた解釈の両面から見て突き合わせる、と言うもので、ハイパフォーマンス……持てる内省力と想像力を保つのにとても便利ですので試してみたい方はどうぞ。

では好い人狼生活を(`°w°´)ノシ