黒豚の噂 woink-propaganda

人狼GMの活動で得た色々をぼやきます。対面と長期が主戦場。

「夜遊編成」ラボ27レポート

2020/11/28に開いた第27回人狼ラボラトリで使いました特殊編成「夜遊編成」についての評価報告です。

当日の建村は2回。村1勝 狼1勝。

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 ◆編成内容
◆特殊
毎晩、夜遊びの時間に起きたいPLは起き、互いを確認する。その中に狼が「いる」か「いない」かが全体告知される。
尚、狼は1頭、狂は-1頭と数えられる。

◆役職
・第2陣営
人狼:いつもの
狂信者:いつもの。但し夜遊び時には狼-1頭分で数える
・第1陣営
村人:いつもの

◆編成
狼狂村のみでの無役編成
例)15=3狼狂+11村

 

◆評価

◇趣旨 20.0
「無役編成で狼を探す機会を全員に平等に与える」
他にも同様の趣旨で立ち上げた無役編成の設計はいくつかあるが、夜遊編成が最も簡潔 且つ具現性が高い。

◇物語性 10.0
夜に遊ぶ人々、その中にいる狼。機構での体現は充分。

戦術戦略性 6.5
戦術は二分探査を使った灰潰ししかない。その潰し方に幅があるが攻める程度の差しかなく、根本的な戦術は灰潰しのみ。

戦略は「白くなれ」に一極するので、対抗灰との競争を呈した半個人戦と、そこから他灰群に波及する半団体戦との両面を持った展開となる。

役職に由来する戦術 及び戦略は一切無く、PL個人の技量に戦局が左右されるので「強くあれ」「白くあれ」以外に方針はない。概ね、技術≒戦術≒戦略と表せる。

戦略の類は少ないが明確に1つ存在してるので、それに価値を感じるか否か。
私評としては…標準編成における役職由来の戦術戦略の代替としては充分機能しているが、同程度であると感じる。

◇推理性 6.5
戦術戦略性の裏返し。前項と同じく標準編成と同程度の評価であり、基準点。

◇陣営的戦力、及び調度 5.0
15PLに対し狼何頭で編成を組むのか判断が難しい。3頭か4頭かにはなるが、いずれも狂の働き次第で圧勝から完敗まで有り得る。
狂の担う力の割合が大き過ぎる。

◇興行性 2.0
初期陣形も途中の飛び出しも、役職による戦術が無いため派手さは全く無い。
この編成で勝とうとすると どこか克己的な臨戦態度を求められるため、競技的な熱は含むものの 興行的な盛り上がりは無い。
一言で表すと「ストイック」

◇設計の理解難度 10.0
難しい箇所はない。但し、進航中の謎解き自体は(特に昼時間が数分しかない対面人狼では)難度が高い。PLには高い処理能力を求められる。

◇編成の柔軟性 9.0
7~21人対応。ゲームとして楽しめるのは(PL層に依存こそするが)9~15人と思われる。
日数が嵩むほどにPLの処理脳を圧迫するためと、序盤は情報が乏しく7人(吊3本)だと何かを解る前に仕合が終わる可能性があるため。
◇処理の操作性 10.0
狼(夜遊の作戦会議)→夜遊→狼(襲撃)を経るので、GMが憶えておくのは狂の配置のみで良い。そのため記憶容量への負担が極めて少なく、夜の工程も少ない。

◇他、特記事項 0.0

 

評価指標はこちら↓
wbo6on.hatenablog.com

 

◆総評 79.0/100点
項目毎に極端に高い項と低い項がばっくり二分されている。
無役編成の特徴ではあるのだが、役職がいないため多様な戦術が生まれにくく、興行面での評価は低くなりがち。
役職由来のものに置き換わる戦術戦略性 推理性があれば6.5点(基準点)となり、それを上回るには設計の中にPLの取れる選択肢を多く用意する必要がある。
(しかしすると設計難度や操作性の評価が下がる)

選択肢は少ないが その分やるべきことがはっきりしているので(夜遊びなんて編成名であるが)競技的な側面が強い。

 

◆改善点
狂の影響力配分が大き過ぎるので狂の弱体化、と伴って夜遊の強化をしたい。
「狂は1回だけ狼の数を0にする」とし「夜遊では頭数を告げる」とする案も以前からあるが、これだと(狂弱体化は適度だが)夜遊強化が過ぎる予想のため試験にて検証が要る。

これと現行との中間案が欲しいが、その場合は「中間はどこなのか」「合いの子にすることで簡潔さが損なわれないか」等の問題があるため、中間案の模索は難航中。
(ぐちゃぐちゃして構わずに、単に戦力調整するだけなら幾らでもできる)


発想時点で優れている類の特殊編成なので、磨き上げたい。
では、好い人狼生活を(`°w°´)ノシ