「愚者」ラボ27レポート
2020/11/28に開いた第27回人狼ラボラトリで使いました特殊役職「愚者」についての評価報告です。
当日の建村は4回。勝敗記録なし。
◆役職内容
・勝利条件:「愚者が全滅」で独立勝利
・能力: なし
◆評価
◇趣旨 20.0
「死ねばOK」を体現した。死ねれば上手かろうが下手かろうが無関係。死ねないと虚無。
◇物語性 6.5
深い設定がある訳でもなく、「霊能者が死者の色が視える」と同程度の世界観。可もなく不可もなく。
◇戦術戦略性 9.5
愚者の戦略ではいかに死ぬか、その上で余裕があれば他の愚者を巻き込むか、が重要になってくる。前提として自殺は必須なので相方達は二の次で一先ずは自殺を牙か吊かで絞る。手持ちの情報量は少ない役職だが戦略構築は村や狼陣営よりも簡潔。
序盤の陣形戦術から終盤の吊受け吊避けの戦術まで局所の展開には幅広くなんでもこなせる。特に想定される陣形最大規模が大きい(15PLで初期陣形内に0~7偽が有り得る)
又、仕合全体に「無闇な処刑や襲撃は悪手」認識が行き渡るため、これを利用した中盤以降の吊受け吊避けがいずれの陣営の勝機としても見込まれる。
戦術戦略性の中で唯一の欠点として、白確定 且つ偽確定すると(狂がいる編成でも)死ねなくなるため、凡そ詰む。(理論上の自殺方法はありはするが)
◇推理性 9.0
狂と見掛け上の判断は不可能なので編成時に狂を含むか抜くかでやや変わる。
狂を含むと推理性は下がり(狼のPPに概ね関わる)、抜くと上がる(偽の人間は全て愚者のため)
他は吊受け吊避けの択を常に迫るので比重がそこに寄りやすくなる影響がある。
◇陣営的戦力、及び調度 8.0
とにかく人外数が多い。村陣営が持つ潜在影響力が(標準編成と比べて)極端に弱まるので、頭数が武器の村陣営は弱体化が著しい。
狼陣営も騙りによる情報優位が靄(愚者)が多くてこれも弱体化を受ける。狂だけは愚者の判別が容易になるので唯一 優位性が増す。
愚者陣営は頭数が増える程に影響力は増すが勝利までの必達数も増える。狼と同数だけ編成にいるため、数が増える程に不利。(1人でも生き残ってると敗け)
概ね「全員が弱体化」を受けている状態になるので、錯綜した盤面での泥沼になりやすい。殆どの場面で状況が縺れるため、個人戦主体の展開の傾向あり。連携難度は高い。
◇興行性 7.5
愚者が確定するまで状況が縺れ続けるため、観客視点での見応えはある。
只、「特に場に関わってないところで愚者が勝手に死んだ」等の興醒めも同程度に存在する。(これの場合、凡そ喰われて愚者1枚削れることが多い)
尚、愚者が白偽確定すると大体は諦めて醒めてしまう。
又、単に初期陣形の大きさは派手。
◇設計の理解難度 10.0
難しい箇所はどこにもない。
◇編成の柔軟性 9.0
7~21人対応。7=2愚+2狼+守占霊 ~ 21=5愚+5狼+守占霊霊7村 まで幅広い。
◇処理の操作性 6.0
狼と同様に愚者の位置情報は常に保持(記憶か記録)しなければならず、更に狼と同枚数いる上に狼と異なって途中での確認ができない(確認できはするが1本 余計な処理が要る)ため、減点。
処理内容に難しいものはないが保持量が多い。
◇他、特記事項 0.0
◆総評 85.5/100点
とにかく建村の際に扱いやすい。7~21人と対応幅が広く、数的調整も「狼と同数」で画一されている上に、設計も難しい箇所がない。
仕合展開も派手なものが望めるし、それでいて戦術戦略性 推理性を損なわない。
全体を通して唯一欠点が「白偽確定の愚者の勝機が極めて薄い」ことだが、他での評価点がそれを補い余って高い。
◆改善点
ない(本当)
簡潔にまとまっていて美しく、余計な改編を重ねるだけ点数が落ちる。
愚者は…作った役職の中で最上位の完成度です。
使ってみて。特にGMで使いやすい手持ちが欲しい方。
では、好い人狼生活を(`°w°´)ノシ