黒豚の思案「役職/編成の評価」
(`°(00)°´)やぁどうも。様々な特殊編成を建てる皆様、こんにちは。ヲボロです。
特殊役職/編成は作ってて面白いものです。そこそこ手軽に発想を表現できる手法ですし、各GMの色も表れます。
昨今、色々な特殊役職や特殊編成が世に出回ってますね。特殊役職の数を売りにしたり、その編成の特色で新しい刺激を売りにしてる箱もあります。
では、作ったその役職/編成が実際にどう良い/好い/善い/悪いのかを評価すると如何様になるでしょうか。
今回はその評価法の紹介です。
ざっと述べると、以下の8項目にて評価できます。
①趣旨
②戦術戦略性
③推理影響力
④陣営的戦力、及びその調度
⑤編成の柔軟性
⑥処理の操作性
⑦設計の理解難度
⑧他、特記事項
PL視点とGM視点のそれぞれで評価し、実数に揃えることでその役職/編成の評価点で善し悪しを定められます。
『物事の善し悪しは点数に表せない処もある』とお思いの方もいるとは思いますが、点数に表せない芸術点は評価になり得ないと私は思います。
そして言語化できる評価点であれば項目毎に沿って案の調整を具体的に行うことができます。
以下はそれぞれの項目の詳細です。今後の特殊役職/編成の作成や調整の参考にどうぞ。
①趣旨0.0~10.0点
その役職/編成の趣旨(コンセプト)
まずここは最重要部分です。案の軸や核なのでここが明瞭になっていないと以降が済し崩しになり易いので注意。寧ろここさえ堅いならば構築の半分は終わった様なものです。
0.0~10.0点と設けてはありますが、9.0点を下回る案は廃案にした方が吉です。
例え過信でも9.0点以上を自信を持って言い張れる趣旨にしましょう。但し虚勢は禁物です。見栄は張らないことを心掛けましょう。
②戦術戦略性(※)0.0~10.0点
その役職を入れることで生じる戦術戦略の択や筋、その編成内で生じる戦術戦略の択や筋。
特殊案を作るに当たって最も考えるのが楽しい項目の1つです。
「どういった戦術戦略が何点」と云うのは有効性で語れるので案を作る程の人狼PL人狼GMに説明は不要でしょう。長くなるので省きます。
ここでは「戦術戦略性の評価理論をどう組んだらいいか」をお伝えします。
先ず、各真役職自身の戦術と戦略を見定めます。これが戦術戦略の基準になります。
次に、各偽役職の戦術戦略を真戦術戦略に沿って組みます。概ね、騙れるか否かと真役職への反戦術戦略の二面が挙がります。
最後に、真偽を於いてその周囲役職に波及する戦術戦略を組みます。
この3段階でその編成に於ける全役職視点の戦術戦略性を解けます。
特殊編成では当たり前ですが、特殊役職の際も(真役職と)偽視点と周囲視点は組みましょう。
(※)戦術とは『局所的に目標を達成する為の手法』、戦略は『大局的に勝利を収める為の方策』
③推理影響力0.0~10.0点
その役職を入れることで生じる推理経路の択や筋、その編成内で生じる推理経路の択や筋。
これも特殊案を作るに当たって最も考えるのが楽しい項目の1つです。
これを評価思考するには前の戦術戦略性をよく思考してからでないと評価できません。項目を飛ばさずに必ず順に評価してください。
先の戦術戦略性で真偽周囲の各視点で評価をしたと思いますが、その時に同時にこの推理影響力の項目も評価できるようになっている筈です。
ここでは主に客観…解り易くするなら観客視点で評価を行ってください。
④陣営的戦力、及びその調度0.0~10.0点
その役職の友陣営への強化/敵陣営への負荷、とその勝率配分調整。その編成内での各陣営の負荷と勝率配分調整。
趣旨と戦術戦略性の項目でその役職/編成内での陣営の有利不利は把握できている筈ですので、狙った調整ができているのであれば高評価を、そうでなければ低評価を付けましょう。
ここが低評価になる様であればきっちり詰めた方が良いでしょう。
『第N陣営が甚く有利/不利だから低評価』ではなく、その調整が狙ったものかどうかで判断します。
⑤編成の柔軟性0.0~10.0点
その役職が何人編成まで組み込めるか&他の役職との相性、その編成が何人編成まで設けられているか。
対応できる他役職と人数の評価です。勿論、趣旨・戦術戦略性・推理影響力・戦力調度を損なわない範囲で。
対応範囲が広いほど高評価となります。凡そ7~20人対応できれば編成構築に於いては9.0点を付けてもいいでしょう。
只、『50人対応できるけど4時間要るよ』等は対応できてるとは言い難いので、仕合時間は標準編成に寄せて収まる程度にしましょう。
⑥処理の操作性0.0~10.0点
仕合中にGMの処理の難度が低いか否か。
操作性の中でも項目は概ね2種に分かれます。1つ目は「GMが記憶できるか」と2つ目は「GMが処理を誤らないか」で、これらを併せて操作性の評価にします。
例を挙げると、占判定は狼を黒と表す他に狐を殺す効果があります。この際GMは「狼と狐の位置を記憶」して処理します。標準編成では狼だけだったのが狐が加わると記憶する工数が1つ増えるので、狐入り編成は標準編成よりも操作性の評価点が下がります。
又同じく狐を例に挙げると、狐を牙で殺してしまうのは当然誤りです。この面でも狐分の牙工数が増えていて処理難度は標準編成より高いので、評価点が下がります。
GM視点で記憶/処理し易ければ高評価です。しっかり予行演習を行い、可能な限りGMへの負担は削ります。どれだけ優れた戦術性や調整の編成であってもGMが操作できなければ展開は難しいでしょう。但し、特殊役職/編成である以上は特殊処理が入って然りですので、そこはGMの操作容量との折り合いとなります。折り合った処に点数を付けましょう。
⑦設計の理解難度0.0~10.0点
その役職/編成をPLが理解する難度が低いか否か。
こちらはPL視点。項目の①趣旨②戦術戦略性③推理影響力をPLが呑み込むのにどれだけ労力が要るかを評価します。難しければ低評価です。ここは5.0以上を保つようにしましょう。
趣旨を如何に綺麗に簡潔にまとめているかでここの評価は大きく変わります。散らかった趣旨になっていないかはここで解る筈です。
『これはどういった設計だ』かが解り易いか否かは予想戦をしてみると良いでしょう。予想戦までに頭を捻るPLが少ない様にしておくと吉です。手短な説明で。
これは私見ですが、狐よりも難しい特殊役職は作っても邪魔になることが多く面子を選ぶのでおすすめできません。狐の理解難度が最低限度、は指標に丁度良いでしょう(狐は私見4.5点)
⑧他、特記事項?~?点
①~⑦に入らない評価部分があればここで消化します。
ほぼ無いようにはなる筈なので特記0.0点に殆どの場合はなりますが、「身内特例で作った役職」や「このGMだから処理できる」や「特定の環境でしかできない」等、面子/環境の(役職や編成に含まれていない)要因が関わってくる際に点数が付きます。
+-かは観点により変わるので、ここでは取り上げません。
以上が役職/編成を評価する論の各項目です。
これらを総計して最大70.0+α点でその役職/編成の評価点とします。
最後に、標準編成(狼狂+守占霊共村の7役で組まれた編成)をこの評価論に当てはめた場合の点数を挙げて終いにします。
①趣旨10.0点
昨今の編成の根幹。「狼が騙すか、狼を滅ぼすか」
②戦術戦略性8.2点
基本戦術は全て含まれている。標準編成では全ての戦術戦略は基本の表裏。特殊ではないので小難しいものがないのでやや見積もり低めに評価。
③推理影響力7.3点
戦術戦略性がやや低めなのでこれも同程度。推理を絞る戦術は村有利に概ね存在する為、戦術戦略性よりも更に低め。
④陣営的戦力、及びその調度9.3点
狂の調整幅がある(狂信・狂想・狂演)のと、占の前夜の仕様で細かい調整が利く。
⑤編成の柔軟性9.4点
調度に伴って対応人数も広い。7~21人は可能だが、仕合感を同じで括るなら11~17人が妥当。この面では中評価。
それよりも他の役職を多く取り入れる為の基盤である点で高評価。
⑥処理の操作性9.0点
前夜は狼狂守占霊共、以降は(共)霊占守(狂)狼、となっており処理順は昇順降順が綺麗に並んでいる点。それと「狼さえ憶えていれば霊占処理が可能」→「霊占処理が終われば(狼の配置を一旦忘れて構わず)盾牙処理だけ」と記憶する関連分野が同時に被らない点で高評価。
処理工数も2+2=4つだけなので高評価。
⑦設計の理解難度9.9点
標準編成なのでほぼ無条件気味ではあるがここの評価は「人狼PLに理解されている」ので最高評価を自動で付けた。
が稀に人狼ゲームを嗜もうとして人狼ゲームを理解できない初心者PLが現われるので、その点を加味してあげて-0.1点を挿れました。人狼ゲームは簡単なゲームではありません。それを意識した減点。
⑧他、特記事項0.0点
(`°(00)°´)あくまで私見ですが、総計63.1点となりました。標準編成も評価者によって点数はまちまちになると思いますので、まず各々で標準編成の評価をしてから特殊案を練ってみることをおすすめします。
ではまた。