黒豚の噂 woink-propaganda

人狼GMの活動で得た色々をぼやきます。対面と長期が主戦場。

無役編成の紹介

特殊編成の中でも「無役編成」ってジャンルをご存知ですか?
名から およそ想像できるかもしれませんが、無役編成の魅力 そして幾つかの編成案を紹介して参ります。

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目次
◆無役編成とは
◆無役編成の魅力
◆逆に欠点は
◆具体的にどんなものがある?

 

◆無役編成とは
「役の無い編成」略して無役編成です。
名の通り守占霊 等の役職がおらず、人狼のゲーム構造上 原理的に必要不可欠な狼と村のみで組まれた編成です。(場合によって狂は扱うことがあります)

狼と村しかいないので、普段 標準編成で使ってる占のような狼を探す機能がありません。
これを役職ではなく大型の機構を設ける形で機能とします。

……ってなんぞや、解り難いですね。
例で言えば「あるPL数名の中に狼が何頭いるか通知する」だったり「占機能そのものを日毎に与えたり」で、1PLや単一役職に依存しないシステム全体に情報を生む機能を設ける形式です。

この機構(システム)のデザインが無役編成ジャンルの中でそれぞれの独自性を発揮するものとなります。

・狼と村のみ(時々 狂)
・役職はいないが機構がある
…が無役編成の定義です。
いっそ機構はなくて本当に狼と村だけいて平たぁい盤面で戦っても無役編成には違いありませんが、それは今回の紹介からは省く次第です。まぁ紹介するまでもなく特徴のない編成だからね……


◆無役編成の魅力
この無役編成、3つにまとめて魅力を語っていきましょう。
①配役による陣営内優劣がない
②編成内容が簡素化しやすい
③機構を改装しやすい

 

①配役による陣営内優劣がない
標準編成では村陣営内でも守 占 霊 村と4役あり、それぞれで役割が異なります。いわゆる陣形です。
役職はそれぞれに価値が異なり、村より占が絶対的に高い能力を持っていて価値も高いです。

その配役は乱数で決まり、引いた役職次第で役割が およそ決まります。
価値が高い能力を引いただけでゲームに与えられる影響力に優劣があり、村を引くとPLの実力を覆して占(を引いただけのPL)が主権を持ったりできます。
「村は外れ」なんて言うのはここからきています。
又、守は個の能力が場に及ぼす影響力が大き過ぎるので「盾ゲー」なんかと揶揄されます。

 

無役編成には これ がありません。村陣営は全て村人のみで構成されるので、開始時点で各PLに与えられた権限は平等です。
進航 展開していく中でPLの実力(や他PLからの影響)で立ち位置を得ていくことができるのが無役編成の特徴です。

これは狼陣営も同様で、騙り潜りの役割区分がない他に、灰しかない故に表面上の権限は村と等価 平等です。
狼もまた実力を通して立ち位置を得ていくこととなります。

立場は役職 役割 陣形に由来せず、その主導権は実力に相関します。これが魅力の1つ目で、運によるPL配分が起こりません

配役はガチャだよ。

 

②編成を簡素化しやすい
当然ですが、配役は狼と村(と狂)しかおらず、建村時に特殊役職の説明をする必要はなくなっています。
まぁその代わりに機構の説明をする必要がある訳ですが、特殊役職入りの編成との違いは既存役職との相互作用を考えなくていい点です。

特殊役職は既存の標準役職(守占霊 等)と能力による相互作用を起こします。
これを初見で全て把握するのは難度が高いです(不可能ではありません。特殊慣れしてるPLもいます)

無役編成では役職間の相互作用はなく、機構そのものさえ理解できればあとは灰の場のみで構成が完結しています。
なので把握するべきは機構一点のみです。この簡潔な仕様が最たる魅力です。

勿論、採用する機構が複雑(煩雑)だと特殊役職の複雑さとそう変わらなくなるので、あくまで「簡素化し"やすい"」だけです。複雑な無役編成も当然ながら作れます。
尚、本記事で後述する無役編成案は簡素なものを取り上げています。

 

③改装しやすい
これは②に付随するものですが、PL視点でなくGM視点での利点です。

編成調度を役職で整えるのではなく機構で整えることになるので、考慮する範囲が絞られます。あっちもこっちも風呂敷を広げ過ぎずに済み、調整にかける点数が少なく思考を集中しやすいです。

又、特殊役職入りの編成……特に多役編成(特殊役職2つ以上の編成)は役職による影響を調整する際に他の役職で釣り合いを取ることになりますが、それでは編成の趣旨(コンセプト)が散ります。

機構一点のみで調整を行う無役編成では趣旨が散らかることがとても少なく、一つのアートデザインとして完成度を高めやすくなります。
特殊編成よりもデザイン性が高い
そしてデザイン性を保持しやすいのでカスタマイズ性も高いです。多少がちゃがちゃ弄った程度では趣旨が崩壊しません。
多役編成ではこうはいきません。役職1つ増やす度に元にあるメインコンセプトが薄れていきます。
まぁ最初から「ぐちゃぐちゃな編成!」がコンセプトなのであれば、それは散らかってること自体がデザインとなるのですが、それは元々のアート性が低いので不細工なのでは?

そして当たり前ですが、機構を入れ替えると様々なゲームが楽しめます。
当たり前ですが これが重要で、多役編成では別の多役編成に入れ替える際に多大な手間がかかります。
この換装のコストが無役編成はとても安く済みます

 

以上3つが無役編成の魅力です。

 

◆逆に欠点は
先ず、割と舐められます。
「へ~面白そう」と思ってくれる方も たくさんいる一方で、「狼と村だけってそれ面白いの?」と第一印象で思うPLも多くいます。
実際に無役編成をどう思うかは後述の具体的にどんな案があるか、を眺めてみてください。前者になるか後者になるかは趣向次第です。

 

次に、調難度が多役編成に比べて高めです。
一度 作ってしまえば多役よりも建村しやすい(多役編成より構造が簡素なのでPLが取っ付きやすい)のは事実ですが、その調整をする手段が機構一点にしかないので調整難度自体が高いです。多役みたいに役職 追加してあとで削ればいっか~とはいきません。

細々と調整を し過ぎると煩雑化するため、無役編成の魅力である簡素化が失せます。
まぁこの側面はアート性との表裏関係なので、私は甘んじて受け入れています(私見)

 

ゲーム性の良し悪しは、実は標準編成とそんなに差がありません。
味は全く違いますが、標準編成に負けず劣らず面白いものがいくつもあります。が、その味は編成作成時の発想力にほぼ依存します。
調整難がありましたが、それと同様に発想によるゲーム性の優劣が激しいです。面白いものはいくつもありますが、それ以上に駄案も数多あります。

良い無役編成には発想力が必要不可欠です。

 

ざっとこんなところでしょうか。
多役編成との比較ばかりになりますが、役職による細々した調整ができず、機構を弄る一点勝負なのが無役編成の特徴です。
利点も欠点も全て由来はこの特徴にあります。

 

◆具体的にどんなものがある?
本記事では数ある無役編成の内、「夜遊」「政治」「相思相灰(仮)」の3つを紹介します。

 

【夜遊】
・15=5狼+10村
・毎夜、「夜遊び」の時間があり、夜遊びに行くか否かを各PL個人が選ぶ。夜遊びしたPLには「他に誰が夜遊びしたか」と「その中に狼がいる/いない」が判る
・初日は吊牙なし。夜遊びありだが「夜遊びした中に狼が何頭いるか」まで判る

二分探査を題材にしたパズルゲーム
村が確白をいつまでにいくつ作れるかが最重要、そして狼はこれの阻止をする。

 

【政治】
・15=4狼狂+10村
・毎夕、投票と処刑……でなく「投票と当選」を行い最多得票PLは当日の代表者として仕事を4つ執り行う
当夕の受刑者 当夜の霊能者 当夜の予言者 当夜の守護者、の4つを独断で決める。同じPLを重ねて選ぶことはできず、代表者自身も選べない
・初日は吊牙なし。代表者の仕事は「当夜の予言者をW人 決める」に変わる(W=初期狼数)

誰を疑うかより誰を信じるかを発想にできた政治ゲーム
票取りの側面を解りやすくした。尚、公約パターンと民主パターンと進航が大別して2つある。

 

【相思相灰(仮)】
・15=4狼+11村
・初夜に狼が全PLを3人1組で赤紫青緑黄の5色に分ける。この際に各組に狼を最大1頭まで含める。組と色は公表される。
・処刑されたPLの白黒は公表される
・初日は吊牙なし。全PLが「同じ組に入りたいPL」を指し、指し合っている場合は これを確約とする(ただし狼同士が指してる場合には これを反故にしなければならない)

ずっと灰乱戦をテーマに作った撲殺ゲーム
殺意が高い奴が殺って、守備が手堅いやつが勝つ。狼と村それぞれの戦略観の競り合い。

 

※上記に挙げた3案の内 夜遊は調整中の部分があります。使用する際には上手く弄ってください。

※相思相灰(仮)は編成名がまだ決まっていません。

 

 

(`°w°´)「数ある」とか言ってますが、無役編成自体 私ヲボロが勝手に打ち立てたジャンルです。今の所 良案も駄案も(2つを除き)全て私が作ってます。
誰か無役編成の畑に迷い込んでこないもんでしょうか。

興味の湧いた方は是非 上記の3つからでも遊んでみてください。
政治編成はGMも手軽で特におすすめです。

では好い人狼生活を(`°w°´)ノシ